会長挨拶

M-Testを学んでみませんか?


2021年8月6日
向野 義人

向野義人

2006年からM-Testを武器として従来の医療・看護・スポーツ・介護などの領域におけるケアするためのワークモデルの構築を試みながら、M-Testを広く普及しようと活動してきました。その中で、M-Testの更なる普及に努めることが必要との皆さんの思いが強くなり、M-Test研究会と名称を改め、再出発することにしました。


M-Testは「体の動きに伴う症状に基づいて経絡・経穴の異常を見つけ出し、治療を行うための診断治療体系」と簡潔に定義されます。体の動きを応用することで治療すべき経絡・経穴を容易に、迅速に判断でき、効果も的確に達成できるという特徴を有しています。この体系は鍼灸治療に何をもたらすことが出来るのでしょうか?


第一には伝統的な望聞問切の診断情報とは独立した身体の動きという要因を導入したことで経絡に関わる情報を可視化できるようになりました。


第二にはM-Testの動きは関節のシンプルな動きであり、誰でも容易に簡単に行うことができます。身体の動きで誘発される症状の再現性は良好で診断のステップを構造化できるので、病態の変化をすぐに把握し効果を判定することが容易になります。


第三には、マイクロコーンのような経穴への定量化刺激の実現は、診断から治療への全ステップを構造化でき、同時に標準化を可能とします。


第四には、診断・治療プロセスの標準化が症例集積や他施設との成績の比較を容易にするので情報を共有できるようになります。


以上のような特徴を活かしながら、ヒトの身体の動きをさらに詳しく評価していくことで、M-Testはより質の高い診断や治療の実現へと道を切り開いてくれると考えています。より多くの人の研究会への参加を歓迎します。

会長略歴 

向野義人(むかいの よしと)
福岡大学名誉教授 医師・医学博士

1971年 九州大学医学部卒業
1977年 医学博士
1981年 福岡大学医学部第2内科講師(腎臓部門、1989年10月まで)
1989年 福岡大学体育学部(現スポーツ科学部)教授 福岡大学病院内科兼務(東洋医学外来担当)
1990年 福岡大学大学院体育学研究科教授(現、福岡大学大学院スポーツ健康科学研究科)
2006年 福大病院東洋医学診療部初代診療部長(2012年3月まで)
2017年 福岡大学名誉教授


留学
1979年 上海中医学院(現、上海中医薬大学)鍼灸部門(3ヶ月)
1990年 ドイツ・ゲッチンゲン大学医学部病態生理学部門(1年間)
2002年 英国・ペニンシュラ医学校(エクセター大学)代替医療研究所(1年間)

社会的活動
2004年〜2012年 あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験委員会委員長
2005年~2015年 独立行政法人大学評価・学位授与機構学位審査会専門委員(鍼灸部会)
2007年~2020年 ケア・ワークモデル研究会会長
2020年~     M-Test研究会会長

著書多数、M-Testに関する著書は英語を始め韓国語、ポルトガル語などに翻訳され世界中で出版されている。