第2章 M-Test(経絡テスト)
2-1.各関節の経絡分布に対応した分析
2-1-4.手首の経絡に対する分析
手における経絡分布(図2-7)をみると、手掌側には母指に太陰肺経、第3指に厥陰心包経、第5指に少陰心経といった陰経が分布し、手背側には第2指に陽明大腸経、第4指に少陽三焦経、第5指に太陽小腸経といった陽経が分布しており、この関係は前腕においても引き継がれている。

図2-8に手首の経絡に対する分析を示した。

1の動作の様に手首を伸展する際には、手関節周囲の心包経に伸展負荷がかかり、手首を屈曲する2の動作では、同周囲の三焦経に伸展負荷がかかる。3の様に手首を内転する場合には、手関節周囲の心経・小腸経に伸展負荷がかかる。一方、4の動きの様に手首を外転した場合には、同周囲の肺経・大腸経に伸展負荷がかかる。これらの負荷で症状が誘発ないし増悪する場合には、それぞれの際に伸展される手関節周囲の該当する経絡を刺激対象とする。また、手指の動きに対しても様々な負荷動作をすることで症状に関連する経絡を分析することができる。